グノーシス主義を超えて、危機的状況で紡がれる生々しき思想。〈最高悪〉の概念との対峙、知恵の愛求者による思想の吐露。
唐の時代のシルクロード。サマルカンドの或る商人は、楼蘭遺跡の宝の在処を知っていた。欲深な盗賊たちがそれを得るために、
その商人を強制的に連行する。過酷な砂漠の状況は、彼の中に眠る僅かなグノーシス主義、善悪二元論の思想を目覚めさせた。
商人の内で常闇の厭世観が肥大化していく。砂漠の熱風は、いかなる静謐な魂も焚焼する。それでも、自己の明知によって
反宇宙論からなる最高悪を克服し、最高善の世界の究理に努めていく。世界を司る深奥なる最高完全者に向けて昇り続ける商人。
陽炎の立つ灼熱の砂漠にて、万有の否定から肯定へと思想的転換の達成によって看取された完全なる世界とは?
倉石清志による普遍の珠玉の思想書。
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